事故に対する賠償と誠意の相容れなさについて


脱線車両衝突のマンション 「購入価格で買い取り」 JRの提案に住民反発
JR西日本社長がマンション住民に補償について説明も合意に至らず

コレは難航するだろうな。

数年前にバイクで事故を起こした時の経験から言わしてもらうと、今回のJR側の提案(金額的な面のみにおいては。事後処理やら態度は決して褒められたもんではなかった。)は決して誠意のないものではないと考える。

被害者側の意識として、別にこちら側に何の過失もないのに、マンション購入時の金額を返してもらっただけでは元の生活に戻れないと考えるのは十分に理解できる。(実際ローンの都合や、価格の面で、当時の購入金額を返してもらったところで、同じ条件で新居を持つことは難しいようだが。)精神的な苦痛に対する慰謝料も含めてもっとイロを付けてくれと言いたくなるのは当然だし、実際私も当時そう訴えた。

私の場合は交通事故ということで、相手の保険会社とのやり取りとなるのだが、保険会社が最初に提示してきた金額は廃車になったバイクの査定額(購入してから2年ほど乗っていたものだが、購入金額から4割ほど引かれた金額)に、仕事を休んだ分の給料補償のみ。言ってみれば、廃車になったバイクが新車に変わるかどうかギリギリの額という程度だった。

たとえばそこでは、職場でのポジション的に私が仕事を休まざるを得ない期間には不在による多少なりの影響(損害)、すなわち二次的な被害については全く補償されることはない。

肉体的なダメージについては事故前の状態に戻る程度の最低限の額(治療費)は一応、出してもらえる。ただ、実際問題として一度傷ついた体はそれなりの傷跡を残すわけで(本当の意味での元の状態「完治」することはまずないのではないのか)、その後遺症についてはハッキリと外見で判断できる分については慰謝料がでるのだが、そうでない場合(外見で判断できない場合)はほとんど出ない。雨が降ると湿気のせいか関節が痛むなんていうのは相手にすらしてもらえない。

未婚の女性の顔に大きな縫い傷が出来たら数百万は出るらしいが、その一生残る傷跡がたったの数百万円となれば、ほとんどの場合において、決して納得できる金額ではないのではないかと思う。(って、未婚のみかい!既婚してたら顔が多少傷ついてもええのんか?その辺もスッキリしない部分は残る。)

で、私の場合は顔に8針ほどの縫い傷が出来たのだが、これがなかなか曲者で、何針縫おうが、幅が3センチに満たないと一銭ももらえないと言われた。そこで、自分で測ってみるとかなりビミョウな大きさ…。なもんで、その「後遺障害等級認定」の判定審査の日なんかは、傷跡がちょっとでも長くなるように爪を押し付けて見たりなんかして…。

ま、私の場合は最終的に、幸いにも大した後遺症もなく(全く元通りとは言いがたいが)顔の傷跡も苦労の甲斐あって、なんとか認めてもらえたので(これも今となっては、わざわざ言ってから見てみないとパッと見ではほとんどわからない程度)バイクは排気量が倍の新車になり、半月程仕事をせずに給料を貰った上に、プラス海外旅行に一回いけるかどうか程度の金額を手にしたわけだが、絶対的に得をしたとは言いがたく、ヘタをすれば死んでいたかもしれないと思えば、こんなことは二度とゴメンだと断言できる。

保険会社の対応には誠意なんてものがあるはずもなく、あくまでも事務的に必要最小限の慰謝料ですむように交渉するのみですので、ほとんどの場合において、長引けば長引くほど、被害者は辛い思いをすることになると言わざるを得ません。

それらから考えると、今回のJRの提示した金額はマンション住民の気持ち抜きで考えると十分譲歩した金額だと言えるし、もし一度訴訟問題になって保険会社との交渉に移ってしまえば、更に下回ることもあるのではないかと思う。ただ、そのことをJR職員がマンション住人にほのめかしたりしたという報道もあったので、マンション住民の気持ち的に納得できないことは痛いほどわかるのだが。

マンション住民の心情もわかるのだが、結局誰も満足することなんて出来ないのが事故なんだと思う。長々と亡くなられた107名の犠牲者の前で、お金のことで言い争うのも気持ちのよいものではない。部外者の私が言うのもおかしな話ではあるが、妥協できない気持ちも十二分に理解した上で、ここはひとまず冷静に判断していただきたいと思う。
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by yaling | 2005-06-06 12:45 | ニュースなぼやき
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